FISジュニア世界選手権2010・WCイラン大会(8月2日〜6日 Dizin イランイスラム共和国)
世界チャンピオン誕生!仁神麻里選手:女子回転優勝!!

代表選手:仁神麻里(DLWH)スーパーC:準優勝 SL:優勝(日本人初) SG:3位 GSL:3位
     田中善之(DLWH)スーパーG11位(自己最高)
  監督:飛鳥井匠哉(JGSA)

   
  仁神選手「おめでとうございます。そしてありがとうございます。」2010年8月、ついに世界チャンピオンが誕生しました。
田中選手も自己最高位、入賞まであと一歩と頑張ってくれました。以下ジュニア世界選手権代表Teamレポートご確認ください
監督: 飛鳥井匠哉 
(JGSA)
日本代表チームの戦い

まず最初にこのような素晴らしい機会を与え続けて下さっている、グラススキー協会の皆さんに感謝申し上げます。

標高3000mの高地で、乾いた気候と、気温差の激しい山岳地帯での戦いで、
日本代表チームは、金メダル一つを含む4つのメダルを獲得しました。
日本の歴史上初めての快挙は、永年、先人達が積み重ねた努力の結晶だったに違いありません。
開会式では、気温が下がり、すぐ隣の山頂付近は3500mよりも上が雪景色でした。
10年前に初めてイランを訪れて以来、雨も雪も、そして寒いのも初めてのことでした。

日本代表チームは男子田中善之選手、女子に仁神麻里選手の2名、どちらも日本国内では、
素晴らしい成績をキャリアにしている選手達です。
しかしながら世界のグラススキーシーンでは、練習量、グラススキーテクニック共に現状有利な、
ヨーロッパ勢とイランの選手達が強いのが現実です。

ヨーロッパの選手達は、平日の夕方から夜にかけて十分に練習し、週末は国内外の大会で、技を競い合うことが日常化しています。
イランの選手達は、短いシーズンではあるが、長期の合宿生活と恵まれた体格で有利な状態にあります。
日本では、元々練習量が少ないことが日常化していながら、更に週末を大会などで、練習を潰してしまっていることもあようです。

今回の代表二人は、練習量が多いとされながらも、現地に到着してもなお、更に必要な知識と技術の習得に努める必要があったので、
高い意識を持続して持ち続け、取り組んだと思います。
日々上達し、成長を止めないことは、トップを目指す上で必須条件です。
仁神麻里選手は既にご存じの通り、SLでの金メダル獲得と、SCで銀メダル、SGLとGSでそれぞれ銅メダルを獲得しました。
田中善之選手はSGLでトップから僅かな遅れで11位、他の種目も結果こそありませんでしたが、
トップ選手達と何ら変わらないスピードと勇気で、どの種目もトップ争いを見せてくれました。

今回のコースの特徴は、世界屈指の高速ゲレンデである事、
ゴールライン以降に最大斜度が続く箇所があり、転倒者が続出するなど、注意をしないと危険が伴う事、
スプリンクラーなどの設備が整っていて、水分の量によって、ゲレンデの固さが大きく変わるのですが、
気候の関係上すぐに乾いてしまい「カチカチからヌルヌル」まで、選手が実際に滑ってみないと分からないような
条件の変化が大きい事などです。

今回の2人に共通して言える事の中で良かった点は、
1,常に注意深く行動し、日常の些細な事でもミスがなかった事等から、実際の滑りの中でも、
転倒などして怪我をしたり、勇気が損なわれる様な事がなかったこと、
2,今回の様々なゲレンデやセッティングの条件に対して、
大切とされる動作のタイミングや強さの変更に可能な限り対応して、向上心を持ち続けたこと、
こういった事が、レース直前や最中の条件の変化に瞬時に対応できる事につながります。
3,「時間」に対して正確に行動し、文化の違いから起こる、急な変更や、
タイトなスケジュールに対して、同年代の他の国の選手達よりも機敏に行動したこと、
4,また、今回のようにホテルからゲレンデまで距離があり、荷物の移動などが困難な場合でも、
個人の持ち物が最小限に抑えられていて、他人の手を借りることなく、自分達で管理が出来ていたこと、
他国の選手達は両親など多くの選手関係者に手伝ってもらいながら対応していましたが、
そういった助けがないことが前提でなければなりません。

また、今後2人の更なる成長の為に、改善や挑戦が必要と考えられたこととしては、
1,食事に対する意識の向上。
スポーツ選手は体が資本ですから、炭酸飲料や、ガムなどのお菓子を簡単に口にしたり、
食事で貴重なタンパク源をためらいもなく残したりする事は良いとは言えません。
2,基礎体力の向上。
選手権は公式練習まで含めて約1週間の長丁場です。
筋力がなければ、無駄に体力を消費し、体力が枯渇し元気がなくなれば、精神力が無くなってしまいます。
今回は特に標高が高い高地でのロングコースだったので、インスペクションまで含めて、
身体への負担は大きかったと思います。
3,身近なライバルの成長の為に、今回得た知識や技術はもちろん、「経験」を皆に広め、
国内や同じ練習環境に、男女を問わずライバルを作ることが、更なる自分自身の飛躍に繋がります。
「ただひたすら一生懸命に練習している姿を見せる。」そしてタイムレースをこんかいの沢山する。
そしてそれは、今まで2人が先輩達にそうしてもらってきたことなのだと思います。

最後に今回新たに、「モンゴル」からの選手の出場がありました。
そういった新しい国の選手達が参加しても、楽しめるような、イベントシステムやケアーが必要だと思いました。
たとえば一部のヨーロッパの国の選手達は列を作るときに並ばず、順序を守りません。
その国のコーチ達もそれを注意しません。新しい国の人々は、そういったことでつまらない気持ちになってしまいます。
グラススキーはもっと世界に広まらなければなりません。

今まで多くの歴史を積み重ねて頂いた、先人の皆様に感謝して、挑戦をさせて頂いたことに感謝して
今後の更なる飛躍を誓いたいと思います。
どうもありがとうございました。

 
仁神麻里(DLWH)
クラーク記念国際高等学校
SC:2位 SL:優勝 
SG:3位 GSL:3位
 競技1日目(スーパーコンビ)
大会前に大会バーンでの練習をさせて頂く機会があって、コースの確認をしていたのでスタート前不安になることはありませんでした。
スタート前、イランのジャバットさんがアームガードをつけてくれました。
なぜかジャバットさんの顔を見ると安心します。
1本目、いつもの癖が出てしまい攻めないで滑ってしまい4位になってしまいました。
2本目は得意な種目だったので、攻めなくてはならなかったのですが、イランのスキー場特有のスピードが出る斜面に負けてしまい、
転倒してしまいました。結果は2位でしたが悔しい思いで終わった1日でした。

競技2日目(スラローム)
前日の悔しい思いをぶつけようと今まで生きていた中でも初めてと言うぐらい気持ちを集中させて滑りました。
ジャバットさんがお守りにと一本のひもをくれました。
それをワンピースの中に入れスタートに向かいました。
1本目も2本目もとても集中していたので正直あまり記憶がありません。
ですが、スタート前に飛鳥井コーチが「死んでも攻めろ」と言うアドバイスはとても記憶に残っています。
ゴールをして、他の選手達に「おめでとう」と言われ自分が優勝したことに気がつきました。
男子のレースが終わった後にいろんな国の選手やコーチ達がお祝いの言葉をかけてくださり、
中には一緒に喜び泣いてくれた人たちもいました。
特に飛鳥井コーチや新谷コーチ、チェコのズザーナさんが泣いて喜んでくれたのはとても印象に残っています。
今までに味わったことの無いような、本当に幸せな時間でした。
グラススキーを始めて6年目、今までとても辛い練習ばかり、楽しい思い出というのはあまりなかったですが、
本当に今までグラススキーを続けてきて良かったと思いました。

競技3日目(スーパー大回転)
昨日の幸せな気持ちを入れ替えて滑った1本でした。
ですが、実力がなく3位におわりました。
最初に急斜面、次に中斜面と続くコースはとてもスピードが出ました。
日本でもっと練習をし、実力をつけなければならないと思った1日でした。
コーチに言われたことを親身に受け止めて次の日の大回転にいかそうと思いました。

競技4日目(大回転)
昨日の反省を振り返って滑った1本目、失敗をしてしまい3位でした。
2本目、気持ちを集中させ滑り2位のタイムでしたが、合計は負けてしまい、3位でおわりました。
1本目から集中をして、実力の出せるようにするのがこれからの課題だと思います。

全体を振り返って
全体的にはとても充実した大会になったと思います。
SLでの喜びを忘れずにこれからも一生懸命練習をしていきたいと思います。
また、私生活でも注意されたことはすぐに直す、そのことを徹底していけばこれからのグラススキー人生につながると思います。
またなぜ日本人の私が見ず知らずの外国人に歓迎をしてもらいとても優しくしてもらえるのか、ということが今回の大会でよくわかりました。
他の日本人の人がいろいろな国の人々にとても良い印象を与えているからだと思いました。
これからは今まで以上に他人に敬意をもって接しようと思いました。
最後になりましたが、いろいろな支援をしてくださったグラススキー協会の皆様、また私を応援してくださった多くの皆様に
お礼を申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございました。
 
田中善之(DLWH)
関西大学
SC:DNF SL:DNF
SG:11位 GSL:DNF

この度、2回目のグラススキージュニア世界選手権に出場することができ、とても光栄です。
今回、出場するにあたって自分では、必ず結果を残さなければ行けないと考えていました。
なので、冬のシーズンが終わってから、すぐにグラススキーの練習に力を入れました。
昨年度、ジュニア世界選手権に出たときに、感じたものとしては技術の差はもちろん感じていましたが、
それだけでなく体力の差を感じました。
冬のシーズンが終わってからは、大学機関の施設を使い、少しでも体力向上に繋げました。
5月に入り、土日はホームゲレンデであるアップ神鍋でトレーニングを行い、平日は大学で陸上トレーニングを行いました。
6月からジュニア世界選手権までは富士天まで毎週土日足を運び、練習を行いました。
ジュニア世界選手権に向けて自分では昨年よりもいい形で、向かえることが出来たと思います。
 7月29日、日本を出発し、30日無事にイランに到着することができました。
翌日には本番のコースで練習することができました。
1本目はコースの途中から、大きなターンをし、フリーライディングをしました。日本のコースと違いスピードが断然乗り、
また、止まるところも危なかったため、びびりました。
徐々に、ゲートトレーニングを行い、少しずつですが、慣れていき体もいつものように動いてきました。
8月1日は、コースクローズだったため体を休め、2日は最後のトレーニングを行い、最終調整を行いました。

 一日目は、スパーコンビネーションでした。1本目のスーパーGは、自分はどのくらい行けるのか、ゴールできるのだろうか、
緊張しながらスタート台に立ちました。
スタートしてからは、いつものように体が動き、所々腰が低いところがあったり、掘れているところに足をとられるところもありましたが、
まず完走することができました。
タイムは、トップと0.5秒差の6位でした。正直自分でも、この位置に着けられたことに驚きました。
2本目のスラロームは、最初のリズム変化から中盤ぐらいまでのセットが難しくて、転倒やコースアウトをする選手がたくさんいました。
しかし、その中でも1本目トップ10の選手は、攻めてゴールをし、自分も攻めなければやられると思い、スタートを切りました。
ところが、最初のリズム変化に入った瞬間、板がずれ次のゲートに入れず転倒してしまいました。
スラロームの悪かった点としては、上半身ばかりに力が入ってしまい、足下の動作が怠ってしまい、
エッチングがターン後半になってしまったことです。せっかくのチャンスであったのにとても悔しい結果になってしまいました。
 
二日目は、スラロームでした。スタート直後から後傾で、またしても板がずれてしまい、タイムが全くでませんでした。
2本目は、フルアタックをしていきましたが、板をぶつけてしまい、コースアウトしてしまいました。

 三日目は、スーパーGで一昨日調子が良かったので、朝から気合いを入れレースに望みました。
セットは振り幅が少ないまっすぐ目のセットでした。スーパーGでのまっすぐなセットは少し苦手でしたが、
今日はとにかく滑ることに集中しました。しかし、結果は11位とスーパーコンビのときよりも順位を落としてしまいました。
入賞者やトップとのタイム差が少なかっただけにこの日も結果を出すことができませんでした。

 最終日はジャイアントスラロームでした。
最後の種目だったので、最後の力を出すつもりで滑りましたが、最初の急斜面からリズムが遅れてしまいました。
また、体の動きが重く、自分でタイミングが遅いと思っていても体を動かすことができず、コースアウトしてしまいました。

 今回の大会は2回目であったので、最低でも入賞はしたかったです。それどころか、転倒やコースアウトばかりする結果となってしまい、
日本の代表として、とても恥ずかしいです。
改めてジュニア世界選手権に参加して、外国人の技術に驚きを感じました。
今大会、ゴールドメダルを獲得したヤコフ選手、ティモ選手、ルーカス選手達は、ゲートから抜けたあとの内足から外足の動作が速く、
常にラインが高く、腰の位置が高いためスムーズにターン動作を行っていました。
また、タイムの出る選手は、板と地面とのコンタクトが上手で、特にヤコフ選手は、スタートからゴールまで板が地面からほとんど
離れていませんでした。
この大会に向けてゲートの抜けの練習を中心に行ってきましたが、外国人の選手と自分を比較すると、ぜんぜん抜けるタイミングが遅く、
例えできたとしても全部のターンでできていないのでタイムの差として出ると思いました。
その中で女子の仁神選手が、優勝したことはとても偉大なことです。また、感動をもたらしてくれました。
 今回付きっきりでサーポートしてくださった飛鳥井コーチ、新谷コーチにはとても感謝しています。
大会以外の時間でも板作りをしてもらったりして、最高のマテリアル、最高のモチベーションでスタートに立つことができました。
それだけに結果を残せず、残念です。
また、イランではイラン人の多くの方々が、あたたかく接してくれました。「写真いいですか。」などとこれまで、経験したことがないことで、
楽しかったです。
特にイランスキーチームのジャバットさん、ヤセルさんは会うたびに優しく接してくれました。
ヤセルさんは、とてもパワフルな滑りで体もとてつもなく大きい人でした。
ヤセルさんと腕相撲すると赤ちゃんのように扱われてしまい、ヤセルさんのパワーにとても憧れました。
今回の経験をいかし、これからもグラススキーの練習をがんばりたいです。
 最後になりましたが、ジュニア世界選手権のため、イランへ派遣してくださった日本グラススキー協会の皆様ありがとうございました。
 

http://www.skifed.ir/ski.htm(イランスキー連盟)